いまなぜ縄文時代が注目されるのか
縄文時代は、今から約16500年前からはじまり
1万年続いた時代である。
学校では、狩猟生活が中心と教わったが、農耕もしていた
ことが近年わかったきた。
驚くことは、1万年以上も平和な状態が続いたことである。
弥生時代の頭蓋骨には、争いの矢じりの後などがあるが
縄文時代の頭蓋骨には、人間同士が争った跡がほとんどない。
縄文時代が衰退した原因は、7300年前に薩摩半島に近い
鬼門カルデラの大型噴火で、日本全土の大災害と考えらえている。
その時代の人口の26万人が7万人まで減ったと言われている。
日本の歴史や世界の歴史を見ても、時代は戦いによって遷移して
いるが、縄文時代の終焉は戦いではなかった。
縄文土器に見られる高度な芸術、狩猟だけでなく農耕技術、
また航海技術にも長けていたことがわかってきた。
世界的にも、1万年平和が続いた稀有な文明として注目を集めている。
平和で豊かな芸術を生む人間性は、精神文化が現代よりも
進んでいたといえる。現代は物質文明と言われお金をベースにした
経済を発展させているが、ひとりひとりの人間が幸せといえない。
逆にお金や、生活することに追い詰められている人のほうが多い。
今の時代に不足しているのは、豊な物質面ではなく
豊かな精神面ではないか。縄文時代の人たちは、人は自然の一部と
考えていたようだ。草木と同じように、自然の中から生命をもらった
存在だと。日本の萬の神の思想は縄文時代からつながっているのかもしれない。
物、物の社会から、自然に帰ることが文明を存続させる大事なこと
のように思われる。