北海道名づけ親の松浦武四郎の歩き旅
松浦武四郎は、北海道の名づけ親で有名だが、何度も北海道に行ってアイヌの
存在を尊重し、その文化を世に示した人でもある。
松阪の人なので、同じ町に住んでいた人として親しみが沸く。
彼は、十代の時に家出をして、江戸まで行ってしまう。しばらくして、これから
お伊勢参りをする人を江戸で捕まえて、実家の人に無事にいる言付けを頼んでいる。
彼の親は、よっぽど心配したと思うが、もう生死も定かでないと思っていたようで
ある。この時の放浪癖や経験が、その後の蝦夷の旅に大いに役に立っている。
1日に約50㎞も歩いて、何日もかけて未開の土地を歩く。想像以上の健脚である。
1か月以上も歩き続ける。現代人でほとんど毎日長距離歩く人はほとんどいないだろう。
20㎞歩くだけで、4時間かかってへとへとになったことがあるが、1日50㎞歩くだけも
大変である。楽しくないと続けられないだろう。おそらく、歩きながら感じるものが
楽しかったのではないだろうか。肌で感じる風、聞こえてくる木々のせせらぎ、
草木の香りなどを五感で感じて楽しんでいたのではないだろうか。
歩きながら自然を感じることは、とても開放感を持てる。
なんの制限もなく、無心で歩き続けることは、いろんな制限から開放され自分自身を
取り戻すことに繋がっているように思う。
自然を感じることも、リラックスして幸せな気持ちになってくるのは、自分自身が
自然の開放感を本当に求めているような気がする。
松浦武四郎は、自然とともに生きるアイヌの人に共感するものを持って、その人達と
文化も大切にしたのだと思う。