反抗的な甥を立ち直をらせた良寛さん
禅宗の昔のお坊様で良寛さんという方がいらした。
良寛さんは、東北地方の生まれで庄屋の家でお兄さんがいた
お兄さんのご子息が、稼業をつぐことに反抗して、親の言うこと聞かなくて
荒れた生活をして困っているので、良寛さんに説教してくれと相談した。
甥は、良寛さんからいろいろと言われるだろうと、会う前から身構えていて
こう言われたら、こういってやろうと準備していた。
でも、会って話しをしても一向に叱られる様子がないし、世間話しで終わって
いざ、帰るときに、甥っ子が良寛さんの草鞋のひもを結んでいるときに、
良寛さんが何もいわずに泣いているのを見た、その姿から自分のために泣いて
くれているのが伝わってきて、この人は、自分の気持ちを理解してくれているのが
分かって心を動かされた。その後、心を入れ替えて生きた。
良寛さんは、甥っ子の稼業を継ぎたくない、嫌だというやるせない気持ちや
哀しさを感じ取り、思わず堪え切れず泣いてしまった。
人は、寄り添って分かってくれる人がいると救われる。
ひとは、生まれながらにやさしさを持っている。
それが、外からのいろんな制約や、わずらわしい概念に捻じ曲げられてしまっている。
一人ひとりが、周りからのノイズに振り回されないようにして、人間本来のやさしさに
目覚めていく覚悟がいるのではないだろうか。