桜をこよなく愛した本居宣長
本居宣長は、膨大な古事記伝書いて偉業をなした国学者であるが
この方は、桜の季節には歌会を催し、自分の墓には桜の木を植える
ことを遺言書に残した、ただ植えるだけでなくもし枯れた時は、
必ず植え替えることまで指示して未来永劫にわたって桜の木を
そばに置きたかったようだ。
その宣長の墓が、松阪市の山室山の妙楽寺に建てられた。
いまでは、妙楽寺から少し山を登ったところに本居宣長奥墓
として建立されている。桜の木も墓の真後ろに植えられている。
宣長は、この山室山を山気清らかなところと、桜がきれいな
場所としてこよなく愛し、自分の墓の場所として遺言したという。
また、宣長は昔の日本文化は「物のあわれ」を大事にすること
であるとし、桜が一時の花を咲かせて散る姿が、物のあわれに
重なるところが同じようにあって桜がとても好きであった。
今では、山室山がちとせの森といわれるようになって、
そこに宣長の奥墓も妙楽寺もあるが、今でも山気清らかな場所で桜が
きれいな場所である。私も時々行っては、自然の心和らぐ景色と
雰囲気を五感とこころで感じることで癒されている。